春の味覚の1つ、たけのこの季節では、炊き込みご飯や刺身、若竹煮(わかめとの煮物)、土佐煮とたっぷり楽しみたいですね。
せっかくなので水煮ではなく生のものを使いたいですが、ハードルが高いのが「灰汁抜き」ですよね?
たけのこをはじめとする山菜は、えぐみがあるので灰汁抜きが必須です。
今回は、たけのこのえぐみ成分や、灰汁抜きの方法などを紹介していきます。
たけのこのえぐみ成分とは?
たけのこのえぐみの正体は、シュウ酸とホモゲンチジン酸です。
シュウ酸は、ほうれん草やさといも、お茶(紅茶・抹茶含む)などに含まれる成分です。
大量に摂取すると尿道結石の原因となる成分ですが、カルシウムと一緒に摂取することで予防することが出来ます。
ホモゲンチジン酸は山菜にも含まれています。
なので、ぜんまいやわらびはそのまま食べると美味しくないわけです。
たけのこはチロシンという物質が大量に含まれていて、時間が経過するに連れてチロシンがホモゲンチジン酸に変化してえぐみが増すというわけです。
たけのこのえぐみは体に悪い?
シュウ酸は尿道結石の原因となるので、大量に摂取するのは体によくありません。
もう一つのホモゲンチジン酸は、メラニン色素増加によって肌のシミやそばかすが発生しやすくなる原因です。
アセチルコリンというもう一つの成分はアレルギー物質に似た成分なので、場合によってはアレルギー反応のような症状が出る場合があります。
これらの成分は胸焼けや気分が悪くなる原因なので、次でしっかり灰汁抜きの方法をお教えしますね。
たけのこのえぐみの取り方
灰汁抜きの方法は3つあります。
米ぬかを使う方法
1本につき、ぬかを一掴み程度、赤唐辛子も1本用意します。
たけのこは皮付きのはずなので、外側の2、3枚は皮をむきます。
根元の硬い部分を切り落とします(付いていない場合もあります)。
根元がぶつぶつになっているところは包丁でそぎ落としましょう。
穂先は切り落とします。
たけのこの大きさにもよりますが、3,4センチ以上切っても意外と大丈夫です。
そして、皮を縦方向に切り込みをいれます。
2、3枚剥いてありますが、まだ残り4、5枚は残っているので意外とざっくり行っても身まで切ることはありません。
では次に、米ぬかと唐辛子・たけのこがかぶる位のお水・たけのこを鍋に入れ、火にかけます。
最初は強火で、沸騰したら弱火にして1時間程度じっくり茹でます。
竹串がすっと刺さったら完成です。
あとは一晩、ゆで汁を捨てずに冷まします。
先に言いましたが、えぐみは時間が経つごとに増していくので、すぐに捨ててしまうと灰汁が抜け切れないのです。
重曹(ベーキングパウダー)を使う方法
たけのこは皮を2、3枚向いて縦半分に切ります。
水1リットルに対して小さじ1を入れてます。
たけのこがかぶる位の水になったら強火で火にかけます。
沸騰したら落し蓋をして弱火にし、約2~30分じっくり茹でます。
こちらも竹串がすっと刺さるくらいに位になったら完成です。
こちらも茹で汁を捨てずに一晩おきます。
大根を使う方法
ここで違うのは、最初に料理に使う大きさに予め切っておくというのが違います。
たけのこ1本に対し、大根おろしは「皮ごと」3分の1をすりおろします。
大根のおろし汁と同量の水を加え、その重量に対して1%の塩を加えます。
1~2時間付けたら灰汁抜きは終了です。
ただし、時間が経っているときちんと灰汁抜きできていない可能性もあるので、その時はもう少しつけて置きましょう。
ただ、たけのこの出る季節は大根の旬が終わりかけなので少し割高になっているので、上の二つの方法に比べるとコストが高いかもしれません。
この方法はTV番組でも紹介されていたので、ご存知の方はいるかもしれませんね。
まとめ
たけのこのえぐみの正体は、シュウ酸とホモゲンチジン酸。
ホモゲンチジン酸はたけのこのチロシンという物質が変化したものです。
時間が経つにつれてどんどんえぐみが増すので、購入したらすぐに灰汁抜きをしないといけません。
灰汁抜きの方法は3つあり、昔ながらの米ぬかと唐辛子と使う方法・重曹を使う方法・大根おろしを使う方法です。
大根おろしはその日のうちに使うことができるので、時短でとても便利です。
水を計量したりするのが少し面倒ですが、米ぬかがないときは便利な方法です。
春の味覚の一つのたけのこ。
いつもは水煮を買ってしまってるあなたも、たけのこを生から調理して春の味覚を堪能してみませんか?
水煮より自分で灰汁抜きをきちんとすると風味が違ってとても美味しいですよ。