蝋を塗ったような質感の花を咲かせる事から名付けられた「蝋梅」は、毎年梅の花が咲く季節にクリーム色の可愛らしい花を咲かせてくれます。
艶やかで、見るだけで子心を温かくしてくれる蝋梅ですが、自宅の庭に植えてはいけないと言われている理由もあるのです。
蝋梅を庭に植えてはいけない理由は以下の2つです。
- 毒があるから
- 鳥害が多いから
- 花がすぐには咲かないから
そこで今回は、蝋梅を庭に植えてはいけない2つの理由の詳細、花言葉と風水などについて、ご紹介していきます。
蝋梅を庭に植えてはいけない3つの理由!
まず蝋梅を庭に植えてはいけない2つの理由の詳細についてご紹介していきます。
毒があるから
蝋梅というネーミングと香りから、甘く美しいイメージがありますが、実は蝋梅はアルカロイド系の毒がある花なんです。
抗菌作用や抗炎症作用があり、薬としても使用されてきた経緯があったほどです。
そのため、梅の実のようなものもなりますが、強い毒があるため絶対に口にしてはいけないんですよ。
付近に本物の梅の木があり、どちらが蝋梅か梅か分からなくなってしまう場合は避けた方がよいでしょう。
また、小さなお子様や動物が口にしてしまうおそれがあるご家庭では、庭に植えてはいけないでしょう。
鳥害が多いから
蝋梅の甘い香りに誘われて、ヒヨドリが集まってしまい、糞害をはじめとする鳥害にあう可能性が高いのも事実です。
ヒヨドリが集う様子はとても愛くるしいですが、大量に集まってしまうとそれだけで被害もすごそうですよね。
そういった鳥害を気にする方は、自宅の庭では育てない方がよいかもしれません。
花がすぐには咲かないから
まず、蝋梅の花はすぐには咲きません。
特に、古い木の部分には花が咲かないので注意が必要です。
植えた後、新しい枝が伸びてきたら、その枝を切ってしまうと花が咲きにくくなってしまいます。
たくさんの人が、蝋梅を植えた後に「なぜ花が咲かないの?」と思うことが多いのですが、その大きな理由の一つは、切る方法やタイミングが関係しています。
さらに、新しい蝋梅でも、すぐに花を楽しむことは難しいことがあります。
蝋梅は成長するのがゆっくりな植物なので、手入れの方法や場所が問題だと思い込んでしまうこともありますが、実はその性質が関係しています。
種から育てる方法を選んだ場合、花を見るまでに5年以上の時間が必要なことも。
そのため、多くの人は既に少し成長した苗を選んで植えることが多いです。
ただ、苗の年齢によっては、すぐに花が咲くとは限らないので、花を早く楽しみたいと思うなら、花が咲き始めている、または花が咲く準備ができている苗を選ぶと良いでしょう。
蝋梅を庭に植えたくなる2つの長所
デメリットもある蝋梅ですが、もちろん良い点もありますよ。
続いて、庭に植えたくなる長所についてもご紹介します。
甘く優しい香りに癒やされる
蝋梅の香りは、甘く優しい香りで、同時期に咲く梅や桜とはまた違った素敵な香りを堪能することができます。
寒い冬を耐え、柔らかな香りを放つ蝋梅は、自宅の庭で春の訪れを待つのにぴったりですよね。
また、雪が降るような寒いシーズンにも耐え、しっかり花を咲かせてくれます。
その年の時期によっては、雪と黄色の蝋梅の美しいコントラストを楽しむことができますよ。
初心者でも育てやすい
庭に地植えする場合、ほとんど手入れの必要もなく、蝋梅は初心者でも育てやすいため人気があります。
花が咲くまでは5年ほどかかる場合もありますが、水やりの必要もほとんどなく、虫にくわれる心配も少ないんですよ。
そのため、自宅の庭でシンボルツリーとして育ててみたいとトライする人も多いです。
蝋梅の花言葉や風水は?
蝋梅の花言葉は、「慈愛」「ゆかしさ」
です。
寒い時期を乗り越えて、そっとクリーム色のツヤのある花を咲かせる蝋梅の姿は、奥ゆかしさと控えめな所が花言葉にぴったりですね。
風水においても、蝋梅は縁起がよい花と言われています。
黄色いツヤのある花の特徴から、風水面からは金運アップがのぞめるとも言われているので、自宅で育てるのにもおすすめですよ。
蝋梅を上手に育てるポイント
蝋梅は日当たりと水はけのよい場所を好むため、庭で育てる際は場所選びをしっかり押さえましょう。
鉢植えする場合は、園芸用の培養土で育てます。
土が乾いて白くなった時に、底から溢れるくらいしっかり水やりをするとよいでしょう。
ただ、過湿に弱いため、水はけの悪い場所で水をやりすぎると、根が腐って枯れやすくなってしまいます。
いい程度をみつくろって、水やりをして下さいね。
庭植えする場合は、特に水やりの必要はありません。
基本的に自然の雨による水やり程度で大丈夫ですので、毎日のお手入れが簡単なのも育てやすくていいです。
ただし、蝋梅は剪定をしないでいると、横に広がりすぎてしまいます。
そのため、花が咲いた後の3月頃に、広がりすぎた枝を剪定して大きさを整えましょう。
また、冬に開花するため、なるべく風が当たらない場所を選ぶこともポイントですよ。
蝋梅を庭に植える時の注意点
それぞれ詳しくご紹介していきます。
子どもや動物にさわらせない
蝋梅を庭に植える際には、特に子どもや動物が近づかないように注意が必要です。
蝋梅の花は、その美しさと甘い香りで魅了します。
色や形がおいしそうなお菓子に似ているため、特に子どもたちは引き寄せられることがあります。
しかし、蝋梅の中には小さな実があり、その中身の大部分は種です。
この種には強い毒が含まれているため、食べてしまうと危険です。
特に好奇心旺盛な子どもや動物は、見た目や香りにつられて触ってみたり、口に入れてみたりする可能性があるので、そうならないように監視が必要です。
家の中や庭に蝋梅を植える際は、その場所を選ぶことも大切です。
子どもや動物の手の届かない高い場所や遊ぶエリアから離れた場所に設置することで、事故を防ぐことができます。
枝を切るタイミングを正しく選ぶことが大切
蝋梅を庭に植えたとき大切なのは、枝を切るタイミングを間違えないことです。
蝋梅の美しい花をしっかりと楽しむためには、いつ、どのような枝を切るのかをしっかりと知る必要があります。
まず、新しい枝は成長のために必要ですから、それらはなるべく残します。
逆に古くなった枝や細くて上向きに成長している枝は花を咲かせるのが難しいので、これらは切ってしまうのがよいです。
年に2回、特に3月と11月から12月が、枝を切るのに最適な時期です。
3月の切る作業では、もう花が終わった後で葉も少なくなった頃を狙って、古い枝や不要な枝、そして根元から伸びてきている小さな新しい枝を取り除きます。
この小さな新しい枝は蝋梅の栄養を奪ってしまうため、成長を邪魔する存在となるので、早めに取り除くのがおすすめです。
ただし、古い枝をいっぺんにたくさん切りすぎると、蝋梅が弱ってしまう恐れもあるので、気をつけるようにしましょう。
次に、11月から12月の時期ですが、このときの目的は、蝋梅全体の形を整えたり、風をしっかりと通すための切る作業となります。
風通しをよくすることで、蝋梅の健康を保つことができます。
この2回の切るタイミングをきちんと守ることで、蝋梅が元気に成長し、美しい花を咲かせ続けることができます。
さらに、3月から6月の間は特に蝋梅の成長が活発になります。
この時期には、枝同士が絡み合わないように、少しだけ整えてあげると良いでしょう。
そして、6月や7月は、来年に咲く花の準備期間です。
この時期には、不要な枝を取り除いて十分な栄養と光を花芽に与えることで、翌年もたくさんの花を楽しむことができるのです。
鳥からの被害を防ぐための対策を考える
蝋梅を庭に植えるとき、考えなければならないことの1つは、鳥たちから花を守る方法です。
蝋梅の花は美しいので、鳥たちが食べにくることがあります。
特に鳥の中でもヒヨドリは、蝋梅の花をとても好むのです。
しかし、ヒヨドリは人間をあまり警戒しない性格の鳥で、カラスや鳩とは異なり、ただ音を鳴らすだけや色鮮やかな物を使ってもなかなか追い払うことが難しいんです。
そのため、彼らから蝋梅を守るための特別な対策が必要になります。
鳥たちを遠ざけるための一つの方法は、庭や植木に網をかけることです。
ですが、ヒヨドリは小さな体をしているので通常の網ではなく、細かい目の網を使うことが大切です。
30mm以下の目の細かさの網がおすすめとなります。
また、網だけでなく、鳥が苦手とする香りのものを置く、鳥の動きを制限するためのオブジェクトを配置するなど、さまざまな方法を組み合わせて対策をすると、より効果的に鳥から蝋梅を守ることができるでしょう。
鳥たちとの共存も大切ですが、大切に育てている蝋梅の花を守るためにも、しっかりと対策を考えてみてください。
まとめ
蝋梅を庭に植えてはいけない理由についてご紹介でした。
寒い冬を乗り越えて、美しく可憐な花を咲かせてくれる蝋梅は、香りも豊かで自宅の庭が華やぎますよね。
花言葉や風水もよく、初心者の方にも育てやすいというメリットもあるため、自宅で育ててみるのもいいかもしれませんね。
ただ、蝋梅は移植を苦手とする樹木のため、植える際は場所をしっかりチェックしてから育ててみて下さい。
今回の記事を参考にして、ぜひ自宅の庭で蝋梅を育てる際の参考にしてみてください。