まれに、山に笠雲がかかるという珍しい現象を見れることがありますよね。
ことわざの一つに「山に笠雲がかかると雨」というのがありますが、
なぜそう言われるのか意味はご存じですか?
今回は、山に笠雲がかかると雨と言われる意味や、
珍しいことですが、縁起が良いことなのかについてご紹介します。
山に笠雲がかかると雨と言われる意味とは?
「笠」は私たち現代人にはあまりなじみがない字ですが、
時代劇に出てくる帽子状の傘です。
笠雲がかかるというのは、
山頂付近に笠を被ったように雲が発生する現象です。
世界中でも条件が揃えば笠雲が発生しています。
一般的にはレンズ雲と呼びます。
山に笠雲がかかると雨と言われるのは、
山頂付近の大気の状態に大きく関係するのです。
地表(海面)で温められた水は、
水蒸気となって上空に上がっていきます。
上空は地表より気圧が低いため膨張します。
膨張すると空気は温度が下がります。
空気の温度が下がると、
空気中に吸収できる水分量が減っていきます。
そうすると吸収できなくなった水分が、
小さな水滴や氷となって雲ができるのです。
また場所が暖かい所や、
空気がぶつかるような場所は上昇気流が発生しやすいです。
このことから雲がかかるという事は付近の大気が湿っている状態です。
そして笠状になるほど固まるということは、
頂上付近は山頂に向かって強い風が吹いているということです。
風上から山頂に拭いていくときに、
山肌に風がぶつかって雲が発生します。
風が吹くということは高気圧から低気圧に向けて風は吹くので、
強い風が吹くということはそれだけ気圧が低いという証明になるんですね。
だから、笠雲がかかっている地表付近では雨が近いということです。
これも100%とは限りませんが、
理屈を聞くとなるほどと思いますね。
統計によると8割は当たるようです。
「つみ笠」や「はなれ笠」が出ていると快晴になります。
笠雲だけでも20種類あって2、3段重なってるものや、
とさか状になっているもの等、いろいろな形があります。
笠雲は珍しいので縁起が良い?
この笠雲はどんな山でもできるわけではありません。
孤立峰(連峰(並び連なっている山々、連山、山脈)とは異なり、
ただ一つのみで形成されている山だとできやすいです。
湿った空気がどこにもぶつかることなく、
一気に山頂へのぼっていきます。
富士山の笠雲は有名です。
笠雲だけにとどまらず顕著に現象が現れる為、
麓の住民たちは観測がしやすいのです。
岩手山(岩手)や、桜島(鹿児島)、浅間山(長野)、榛名山(群馬)、
大麻山(香川)、十勝連峰(北海道)、知床連山(北海道)が見られます。
富士山のあるあたりでは笠雲は縁起がよいと言われています。
富士山自体がまず縁起物ですよね。(一富士二鷹三茄子)
笠も実は縁起がよいシンボルなんです。
形状が末広がりの所も縁起がよいとされています。
縁起物×縁起物プラス、強風+湿った空気という条件がないと、
笠雲は発生しませんので珍しいという点からも縁起がよいと言われるのです。
縁起物ではありませんが、
虹も雨上がりに必ずできるものではありません。
見ると多少でも嬉しくなりませんか?
また昔は農作物の出来に関わる雨は大変重要なものでした。
恵の雨が降るということで縁起が良いとされています。
まとめ
いかがでしたか?
笠雲はレンズ雲の仲間で笠雲も20種類の形状があります。
「山に笠雲がかかると雨」は本当。
ただし、必ず降るとは限らず、約80%で当たります。
晴れになる笠雲の種類もあります。
富士山が有名なのは湿気が直接山肌にあたるため、
珍しい雲ができやすいからです。
笠雲は日本中・世界中の山でも条件が合えば発生はしています。
縁起が良いと言われるのは、
昔は雨が降る・降らないは大変重要な要素だった為、
恵の雨が降る笠雲はありがたい予兆だったからです。
富士山・笠2つとも縁起物なので、
縁起がよいと言われています。
今回は笠雲のお話でしたが、天気のことわざは他にも沢山あります。
「鱗雲が出た翌日は雨風」
こちらは秋の空に魚のウロコのように、
白い斑点のような雲が発生することがあります。
低気圧の全面に発生しやすいです。そのため雨の予兆です。
「夕焼けは晴れ」
こちらは、天気は西から変わっていくので、
夕焼けが見える=西は天気が良いという証明なので、
次の日は晴れる事が多いです。
季節は春・秋にあてはまります。
昔の人は天気図がなくても天気の予測をして、
農作業などをしていたんです。