「くれぐれもよろしくお伝えください」というフレーズは良く聞きますよね。
一番耳にするのはビジネスの場面ですし、あとは日常でも丁寧なあいさつを交わしている時の最後に耳にします。
くれぐれも・・・とついていたら、ただのよろしくではなく、絶対よろしく的な感じがして忘れないで伝えなきゃ!と思いますし、とても懇意にされている様子がうかがえますよね。
今回の記事ではこの「くれぐれもよろしくお伝えください」と言われたときの伝え方やその相手への返事の仕方などを紹介していきますので、日ごろから使えるようお役立てください。
「くれぐれもよろしくお伝えください」の意味
まずは、よろしく伝えるだけでなく、くれぐれもよろしくお伝えくださいとあるので、敢えて付けている意味やくれぐれもよろしくお伝えくださいの意味を解説していきます。
「くれぐれも」を漢字で書くと、「呉呉も」と書くのはご存じでしたか?
「呉」という感じの意味は、大声でという意味のある文字となっています。
「くれぐれも」は「呉呉」なので、「大声と大声」となり、「とくに、どうしても」などの意味になり、大声になるほど強調したい、すごく、という強調表現という意味で使われれるようになります。
相手に何かをお願いする場合に、懇願する、どうしてもお願いしたいという意味を込めて「くれぐれもお伝えください」というように使用されます。
だから、よろしく伝えるというだけでなく、「どうしても」など強調の言葉なので、絶対伝える、強い思いがあるので絶対伝えたい、本当に心から思っているというような気持ちがあることを受け手は理解しておくことが大事です。
全体的な込められている意味合いとしては、
「いつも〇〇さんにはお世話になっているので、お会いしてお礼をお伝えしたいのと、これからもよろしくお願いいたしますということを伝えたい」
という思いが込められているのです。
くれぐれもが入ることによって、本当にお世話になっている、本当にありがたいと思っている、本当にこれからも頼みたいという思いがあるわけです。
その温度感がくれぐれもで表現されているので、使いたい時、伝えてと言われた立場の時、その温度感をくみ取って該当者に伝えたり、相手の方に返事をしたりすることが必要です。
でも温度感って感覚的なところで難しいので、もし「くれぐれもよろしくお伝えください」と言われたら、相手の人にも一言加えてお返事、伝える相手にも少し大げさに伝えておくと問題になることもありません。
「くれぐれもよろしくお伝えください」の使われ方
「くれぐれも」と表現することで、相手に念押しする効果があり、想いの大きさを伝えるという役割があります。
すごく丁寧に思えるので、絶対に使ったほうが良いのかというと実はそうでもなく、考え方によっては厚かましいと捉えるようなイメージにもなりかねません。
相手に何かをお願いするのに、くれぐれもと強調するということは、こちらの主張が強い、押しつけがましいという点は否めません。
そうなると圧も感じざる負えないので、ちょっといいかえて、「くれぐれも」を「ぜひ」に変えたりすると軽くなりますよ。
「くれぐれも」を使う場面を紹介していきましょう。
お礼
本日はお忙しい中お時間をいただきありがとうございました。
皆様にもくれぐれもよろしくお伝えください。
謝罪
この度は弊社の商品でご迷惑をお掛けしまして誠に申し訳ございませんでした。
○○様にもどうぞよろしくお伝えください。
メールの締めくくり
先日は●●を頂き誠にありがとうございました。
改めてご挨拶に伺わせてください。
取り急ぎ書面にて失礼いたしますが、まずはお礼を申し上げます。
○○様にもくれぐれもよろしくお伝えください。
取引先で訪問先の会社から帰る際
皆様にくれぐれもよろしくお伝えください。
〇〇様には、くれぐれもよろしくお伝えくださいませ。
打合せ内容報告のメール
いつも大変お世話になっております。
○○株式会社の▽▽でございます。
先日はお忙しい中、お時間をいただきまして誠にありがとうございました。
今回の件につきましては、下記日程にて実施する運びとなりましたのでご報告申し上げます。
ご参加頂けました皆様には、くれぐれもよろしくお伝えくださいませ。
欠席謝罪のメール
いつも大変お世話になっております。
明日予定しておりました○○につきまして、急遽欠席させていただく事となりました。
大変恐縮ではございますが取り急ぎメールにてご連絡させて頂きます。
また、このような事態となりましたことを深くお詫び申し上げます。
他の参加者の皆さまにも、くれぐれもどうぞよろしくお伝えくださいませ。
欠席した人への伝言
〇〇さんにはお会いできず、非常に残念です。
次回お会いできるのを楽しみにしておりますので、くれぐれもよろしくお伝えくださいませ。
上司の家族関係
○○部長、昨日はご自宅にまでお邪魔させて頂きまして、本当にありがとうございました。
美味しいお食事までごちそうになり大変恐縮です。
奥様には、くれぐれもよろしくお伝えくださいませ。
「くれぐれもよろしくお伝えください」の類語や敬語の言い換え
前項でも少し触れていますが、なんでもかんでも「くれぐれもよろしくお伝えください」と言えばよいものではありません。
相手の肩書、立場、自分にとってどういう人に充当するのかなどを考えたうえで、少しニュアンスを変更したほうが良い場合もあります。
くれぐれもよろしくお伝えくださいが圧になり、上から目線の言い方で失礼になる場合もありますので使う時は気を付けてくださいね。
「くれぐれもよろしくお伝えください」をちょっと言い換えてみるなら、意味が同じでニュアンスや言い方を変える事になります。
「くれぐれも」→「重ね重ね」に言いかえると、少し柔らかくなります。
「重ね重ねよろしくお伝えください」という言い方であれば、例えば仕事関係なら本当にお世話になっているので・・・というニュアンスを込める事ができます。
この場合にお伝えする時には、
「ほんとうに〇〇さんは何度もお礼を言われて、よろしくということも何度も仰っていました」
と伝える感じです。
くれぐれもよろしくお伝えくださいを丁寧に伝えるのであれば、
「くれぐれもよろしくお伝え願います。」
と言う感じでもOKです。
くれぐれもを「何卒」という言い方にしても丁寧になります。
「よろしくお伝えください」と言われた時の伝え方
それでは自分が「よろしくお伝えください」と相手に言われたら、どのように「よろしく」伝えるのかという点について説明していきます。
「〇〇様がよろしくと言っていました」と伝えるのがおおむね普通の伝え方でしょう。
実際のところ「よろしくお伝えください」自体には深い意味はありませんし、付け加えた言葉なのでそこまで重点を置かれることではありません。
でも、大切なのは、相手が気にかけていたこと自体が伝わってほしいというのは確実にあります。
だから何も伝えないと、「この前〇〇さんに伝えておいたんだけどな・・・」と言われかねません。
ですので、その様な事にならないように、お会いして何かしら気にかけていたことは必ず伝えておくべきでしょう。
〇〇様がよろしく伝えてくださいとのことでした。
〇〇様が、部長によろしくとおっしゃっていました。
〇〇様が、課長にぜひお会いしたかったようで、くれぐれもよろしく伝えてくださいとおっしゃっていました。
〇〇様が、部長にどうしてもお会いしたかったようで、何度もよろしくとおっしゃっていました。
などという加減を伝える事で、言ってもらった方は一本電話したほうが良いかな?という気持ちにもなります。
ですので、「よろしくお伝えください」と言った人がどれだけの想いがあるかくみ取って、伝える際は温度感が伝わるようにした方が親切ですよ。
「よろしくお伝えください」と言われた時の返事の仕方
「よろしくお伝えください」と言われたときにどう返事を返したらよいか、返事の仕方を紹介しますね。
最も無難で、よく使われているのは「かしこまりました」が一般的です。
可もなく不可もなくで話が早いのでかしこまりましたでOKですね。
「はい」というだけだと、ビジネスに慣れていない感じのイメージがあります。
了解ですも日本語として目上の人に使う言葉では決してありません。
上手に言う方は
「かしこまりました、今後ともよろしくお願いします。」
「かしこまりました。〇〇に申し伝えておきます。」
というと、ビジネス慣れしている感じもしていますし、丁寧だしよくわかっている感じがします。
それではビジネスではなく、家族に「よろしくお伝えください」と言われた時はどのよう返事したらよいでしょうか。
「申し伝えておきます。以前から父も会いたがっておりました」
「ぜひまたいらしてください」
「こちらこそ、今後ともよろしくお願いいたします。」
というと礼儀がある感じで好印象です。
関係性や距離感が微妙で、返事の仕方に迷った際は、
「かしこまりました」
「ありがとうございます」
「かしこまりました。●●に申し伝えます」
あたりでOKですね。
まとめ
「くれぐれもよろしくお願いいたします」という言葉は、本当によく使われていますよね。
ビジネスシーンでは特に多く使われてますが、家族のつながりや親戚などの繋がりでも使われています。
「よろしくお伝えください」ではなく敢えて「くれぐれも」を付けているのは、本当に隠れた思いや込めたい想い、懇願の気持ちも入っての言葉です。
それを上手に受け取り、さらに該当者に上手に伝えるのはテクニックが必要ですが、その伝え方、返事によっては間を介した人が注目されることもあるんですよ!
だから一言プラスにして返すことを意識するとスマートで良いと思います。
「くれぐれも」が付いたときの「よろしく」は温度感があると覚えておきましょう。